交点の先で

思えば遠くに来たもんだ

思い出を抱きしめながら 僕たちは歩いてゆくよ

しょうくんもわたしもいろんな意味で歳を重ねて、わたしはあらしのことだけを考えてはいられなくなっていて。物理的に距離がうまれたら、このまま気持ち的にも離れていくのかなって、なんとなく思ってて。

そんな中で今日、大事な想い出を確かめるように再生ボタンを押したら、当時わたしが真剣に見つめていた5人が変わらずに眩しくて、泣いてしまった。

これからずっと同じ熱量で追いかけることができなくても、あの時の熱量はあの時のままで、ずっとわたしの中に残っていくんだなあ。だからこれからもずっと、おばあちゃんになってもきっと、大事な大事な人たちであり続けるんだろう。

思い出を抱きしめながら歩いていくって、きっとそういうことだ。あの時はあの時、今は今、それぞれ季節が巡っているのであって、あの時感じた思いも、今感じている思いも、消えることはきっとない。どんなに歳を重ねても、どんなにきみが太っても、目を真っ赤にして涙を堪えていたあの日の君のことを思い出すよ。それが、今の私にとっての、愛の形。

泣きながら笑えーAre you Happy?

Are you Happy?と題したツアーであらしが伝えたかったことは、タイトルのメッセージに尽きるんだろう。と、愛を叫べを満面の笑顔で歌う5人の姿を見ながら思った。本編が終わって、スクリーンに大きく映し出された”Are you Happy?”という問いかけが、思いがけず重く胸に刺さる。あらしが口にする"Happy"は、ただ楽観的なだけじゃなくて、いつだって痛みがともなっていると、私は思う。しょうくんの言葉を借りるなら、彼らは「根拠なく楽観的」だけど、常に「根拠のない危機感」を持っている。そんな彼らがなぜいつもステージのうえで楽しそうに笑っていられるのか、笑っていてくれるのかというと、彼らにはあらしとしての「覚悟」があり、「覚悟」を持つゆえの「余裕」があるからだと、このライブを観て改めて伝わってきたよ。ただ、楽しいわけじゃない。あらしにはあらしなりに、不安を感じることもあれば辛いことや苦しいことだってある。それでも、おれらはHappyだよって言える「覚悟」が、そう言いながら笑って見せる「余裕」が、彼らにはある。OPで必死に汗を流す裏側を見せてくれたのは、そんな自分たちの姿を前提に、私たちに問いかけているんだと言うことを、伝えようとしてくれているからなんだろう。

 

なんだけど、それを具体的に言葉にせず自分たちの姿でさらりと伝えようとするのがすごくあらしで、そして"Are you‥?"という疑問形で提示はするものの、受け取る側に押し付けず委ねるところがわたしはすごく好きだ。アンコールで五里霧中からエナソンを歌うメドレーだって、ただ盛り上がるからこの曲を選んでいるわけじゃなくて、雨の日や曇りの日もあるけど前を見ていまを楽しもうね、っていうコンセプトに則ったメッセージが隠れている(と私は思う)けど口にはしない。Are you Happy?と謳ったツアーのラストにDaylightを選択するのがあまりにもあらしらしくて、いままでずっと大好きで信じてきたあらしの姿そのものだなあと思う。あいばくんに司会の練習をさせてあげる優しいおふざけで、流れてきたDaylightのイントロを聞きながら礼をする5人の姿を見て、泣きながら笑ってたこのときの気持ちを永遠に忘れたくない。

 

人生ゲームをしながら楽しそうにしている5人の姿は、幸せそうでくだらなくってちょっぴり切なくて、ずっと変わらないわたしの好きなあらしだった。きっとこの人たちは、どのマスに止まってもこうして5人で笑っているんだろう。彼らもわたしも大人になったし、皺は増えたしお肉も増えたし体力だって落ちていくかもしれないけど、やっぱりGOALを迎えるその日まで彼らのことを見届けたい。「あいつは今でもアイドルさ」と歌う5人に、「それはこっちのセリフだ」と心の中でつぶやかずにはいられなかった。いつもいつもありがとうね。きみたちの問いかけにイエスと胸を張って応えられるよう、現実をなんとか頑張ってみるよ。温かくて懐かしくて優しい、ほんとうに楽しいライブでした。